HEP導入ご担当者の声:離職率を劇的に改善し 顧客満足度を高めたHEPの使い方とは
株式会社ホンダカーズ浜松
本部 管理本部 人事部 人材育成課 次長
西岡 薫 様
静岡県内でHonda正規ディーラーとして14店舗を展開し、新車・中古車の販売、点検、車検などをトータルサポートするホンダカーズ浜松。1951年に前身となる会社を設立して以来、Hondaと共に歩み続けています。人材開発の企画・運営を担当する西岡様に、組織としてHEPを活用する狙いや感想を伺いました。
※情報は2022年6月のものです。
- HEP導入時の組織課題は? …… 組織としての価値観が浸透していないこと、離職率の高さ
- HEPを選んだ理由は? …… How to be(どうあるべきか)という研修テーマに期待
- これまで多くの方がご参加しました。ご参加者の受講後の変化は? …… セルフエスティームの重要性を理解し、行動変容につながっている
- 組織として、HEPをどのように活用していますか? …… HEPを共通言語化し風通しのよい職場づくりへ
- 社内の変化や、解決した課題はありましたか? …… スタッフの考え方や行動の変化と、離職率の低下、CSの向上
- HEPをどのような組織にお勧めしますか? …… 大事な価値観を社内に浸透させたい全ての会社に
HEP導入時の組織課題は?組織としての価値観が浸透していないこと、離職率の高さ
当時、弊社ではいくつかの課題を抱えていました。
最も大きな問題は、社として掲げている大事な価値観が、現場に浸透していないことでした。弊社には、基本理念や社是、ビジョン、そしてそれらを実現し達成するためにすべき行動のよりどころとなる「4つの判断軸」という大事な価値観があります。
しかし、これらが、各店舗では額に入れて飾られているだけの状態だったのです。つまり、実際にどのような行動を取っていけばよいのかが不明瞭で分からず、それぞれのスタッフのベクトルもいろいろな方向を向いてしまっていました。
また、弊社は静岡県内の広範囲にわたって店舗があります。それぞれの店舗でローカルルールや独自の文化が育ってしまっていたことも、会社の基本理念や浸透の妨げになっていました。各店舗運営を任せている店長が、自分流の考え方で店舗運営をしていることも要因だったと思われます。
もう一つの課題は、離職率の高さでした。新車販売を業務の中心に据えているため、業績が重視される社風があります。新入社員が結果を出すまでには時間がかかることが多く、付いていけなくなった新入社員が退職してしまっていました。
HEPを選んだ理由は?How to be(どうあるべきか)という研修テーマに期待
前述の課題解決のためでしたが、初めは弊社の抱えていた課題にズバリ効くという確信はありませんでした。ただ、HEPを知る経営幹部から講座の内容を聞き、面白そうだなと期待感を抱いていました。
多くの研修がHow to do(何をすべきか)を学ぶものであるのに対して、HEPで学ぶのはHow to be(どうあるべきか)であり、「自分の中に答えを見つけに行く研修」だということでした。それまでの研修とは全く違うのだなと、可能性を感じたのです。
これまで多くの方がご参加しました。ご参加者の受講後の変化は?セルフエスティームの重要性を理解し、行動変容につながっている
HEPに期待していたのは、各店舗の運営を任せている店長の行動変容でした。実際に受講した店長たちはスタッフやお客さまと接するに当たって、「セルフエスティーム」が非常に重要であるということを理解してくれました。店長自身が変わることでスタッフも変わっていくという好循環が生まれたと思います。
中でも、HEPを受けたことで自分を変えることにうまく成功したのは、千代田店の市川店長でした。HEPでの学びをきっかけにコミュニケーションの壁を取り払い、オープンになれたことでスタッフからの信頼がさらに厚くなりました。それが店舗運営の成果として表れ、業績アップが続いているという非常に良い事例です。
組織として、HEPをどのように活用していますか?HEPを共通言語化し風通しのよい職場づくりへ
現在では、BConが実施する公開講座HEPへ店長など核となるメンバーが参加するだけでなく、HEPの要素を組織運営に取り入れて活用しています。
当初、何名かの核となる拠点長や部長クラスのスタッフをHEPに参加させていました。そして参加後に、受講の様子についてのフィードバックをBConのコンサルタントの方から受けていました。そのような中で、あるとき、ハッとする一言をいただいたのです。弊社が大切にしている「4つの判断軸」の根底となる考えが、HEPのコンセプトである「セルフエスティーム(自尊心)」「自己重要感」「有能感」「好感」と、とても共通点があるのではないか、と。
「なるほど、確かに一致しているな」と思いました。社内で大切にしていることを実際にどのように活動に生かすのかを、HEPを通して学習できるのではと気付いたのです。「これはぜひ皆でやった方がいい」社内の研修内容に対する理解度と信頼度が高まったことが、全体で取り組もうと判断するきっかけになりました。
※「セルフエスティーム(自己肯定感)」について、詳しくはこちらでご紹介しています。
さらにHEPの考え方を組織運営に取り入れるため、社内講師を置くことにしました。私を含む2名がHEPライセンス取得講座でライセンスを取得したのです。今では新入社員研修など階層別研修の中で、社内講師としてHEPのエッセンスを取り入れた研修を実施しています。
HEPの内製化は「基本理念」や「4つの判断軸」の浸透にとても有効でした。会社としてどこへ向かっていくのか、社員としてどのような行動を取っていけばいいのか、全員のベクトル合わせがしやすくなりました。
社内の変化や、解決した課題はありましたか?スタッフの考え方や行動の変化と、離職率の低下、CSの向上
HEPによって、スタッフ自身がかつては考えもしなかったことに気付き始めています。自分は何にそんなにこだわっているのか、その行動を取れなかったのはなぜなのかという気持ちの部分をより深く考える機会が増えているように思います。
例えば「全て成功させなければいけない」というこだわりからいったん離れて、とにかくやってみる。4つの判断軸で言うところの「参加する」という気持ちでチャレンジできるようになってきました。「失敗から学び、反省し、またそれを改善していけばいい」という流れができてきています。
また、内製化に伴いスタッフ全員がHEPから学び「セルフエスティーム」や「防衛」という言葉を社内で共通言語化できたことも大きな成果です。共通言語があることで自分の意図していることを伝えやすくなったり、社内の風通しが良くなったりと大きな波及効果が出ています。以前まであった、店長とスタッフの間の壁が取り払われたように感じます。スタッフが店長に対して意見を言ってもいいのだ、受け止めてもらえるのだという精神的な安心感を持てたことはよかったですね。
そのようなスタッフの考え方や気持ちの変化が、離職率にも現れています。5年前、HEPを全社導入する以前は、入社5年以内スタッフの離職率が27.7%でしたが、直近では6.5%まで下がりました。若い大事なスタッフが定着できるようになったことは、あらゆる面で良い作用があり、とても良かったです。
またそれが、CS(Customer Satisfaction/顧客満足度)の向上にもつながっています。Hondaでは、点検や車検を受けていただいたお客さまにアンケートを実施しています。その中で弊社の店舗に対して「スタッフが生き生きとしている」「スタッフの明るいあいさつや活気のある姿を見て元気をもらっている」といったお声をいただいています。CS向上、離職率の低下などHEPの効果が出始めていると思います。
HEPをどのような組織にお勧めしますか?大事な価値観を社内に浸透させたい全ての会社に
どの会社もそれぞれの理念を持っていると思います。しかし、そこに向かってスタッフがどのように行動すればよいのかを浸透していくことは、非常に難しい問題です。そのベクトルを合わせることに、HEPは非常に役に立ちます。
弊社の「4つの判断軸」とヒューマン・エレメントの親和性が高かったことは、成果に結び付いた要因でしたが、たまたまそうだったという見方もできるでしょう。しかし、HEPによって啓発される内省思考による学習そのものは、あらゆる方針や仕事に対して、有効だと考えます。「なぜ自分はこの方針に対してポジティブに行動できているのか、またはいないのか」「なぜ、そのようなことにこだわるのか」「何を思い込んでいるのか」。自分の中に答えを見いだし、最適な行動ができる人財の育成につながると考えるからです。
基本理念が額縁に入れて飾られてはいるけれど、具体的な行動に結び付いていない、全ての会社にお勧めしたいですね。
株式会社ホンダカーズ浜松
- 本社
- 静岡県浜松市
- 事業内容
- 新車販売、中古車販売、車検・点検・整備・修理、損害保険代理店業務、部品用品販売。静岡県下に14店舗を展開。
- 従業員数
- 237名(2021年10月現在)
- ウェブサイト
- https://www.hondacars-hamamatsu.co.jp