経営戦略を実現するための人事戦略とは
企業の成長と成功の鍵は、優れた経営戦略にあります。しかし、その戦略を実現するためには、人事戦略との緊密な連携を欠かすことはできません。
経営戦略と連動した人事戦略を策定するためには、自社が置かれている経営環境や社内の状況などを押さえておく必要があります。
本コラムでは、変化が急激な時代において、人事部門が経営層から期待される役割と、経営戦略を達成するために人事戦略を策定するメリットや、押さえておくべきポイントをご紹介します。
人材育成における研修の手法が、大きく変化しています。テレワークが普及し、研修もオンラインで実施することが多くなりました。しかし、これまで対面形式で行ってきた研修をオンラインに切り替えることに、不安を感じている組織も多いのではないでしょうか。
ビジネスコンサルタント(BCon®)では、2020・21年度の2年間に、オンラインで12000件以上の研修やコンサルティングを実施してきました。そこで培った知見やノウハウを基に、このコラムではオンライン研修の特長や、集合研修との違い、オンライン研修の効果を高めるポイントについてご紹介します。
オンライン研修では、Web会議システム(Zoom、Webex Meetingsなど)を利用して、オンライン上で講義やディスカッション、グループワークなどを行います。
BCon®では以下のような内容のオンライン研修を支援してきました。
・階層別/目的別研修…管理職以上が対象のマネジメント研修、新入社員研修、営業力強化研修など
・アセスメント研修…対象者の能力、特性を把握し、登用や育成につなげる研修
・個別コーチング…一人ひとりの行動変革を促進するサポートプログラム
・公開講座…各公開講座の概要についてはこちらをご覧ください※
※「公開講座を探す」から「テーマ」で「オンライン型」を選択すると、オンライン開催をしている講座の一覧が表示されます。
こうしたオンライン研修を導入する組織が増える一方で、
「オンライン研修で、集合研修と同じような効果が上げられるのか」
「どんな研修ならオンライン化しても問題なく実施できるのかわからない」
「やってみようと思ったものの、導入コストが気になる」
……など、オンライン研修に対して不安があり、まだ実施したことがない組織や、挑戦してみたものの、うまくいかずにそれっきりになってしまっている組織もあるのではないでしょうか。
内容によってはオンラインでの実施に適さない研修もありますが、物理的・時間的な制約が少なくなるといったオンラインならではの特長を生かした設計により、効果性の高い取り組みができます。
では、どのようにすれば研修効果の高いオンライン研修を実施することができるのでしょうか。オンライン研修のメリットを整理し、オンライン研修でできること・できないことをみていきましょう。
オンラインで研修を行うメリットはいくつかありますが、最も大きなメリットは「人を集める際に発生するコストの削減につながる」ということです。
オンライン研修では講師や参加者、運営スタッフが研修会場に集まる必要はありません。集合研修では必要になる交通費や宿泊費が発生しないことに加え、移動にかかる時間的コストも削減できます。
したがって、コストの観点から見るとオンライン研修に、より大きなメリットがあります。また、その他にもオンライン研修ならではのメリットがあります。
階層別研修や、目的別研修などがオンラインで実施可能です。ただし、身体的な動作や、相手を必要とする研修、特定の機材などを使用する研修にはあまり向いていません。
たとえば新入社員の導入研修に、ビジネスマナーの実習(お辞儀、名刺交換など)を取り入れる場合、相手が必要なことに加え、画面越しでは体の動きが見えづらく、相互指摘もしづらくなります。
また、参加者同士の関係の強化を目的とした取り組みなどは、実際に顔を合わせてコミュニケーションを取る集合研修の方が向いています。同じ時間を同じ場所で過ごすことで凝集性が高まり、一体感を醸成しやすいからです。懇親の場を設けやすいという点も、メリットの1つでしょう。
実施する研修の目的や、取り入れたい実習の内容などを考慮して、どちらが適切かを判断すると良いでしょう。
オンライン研修を成功させるポイントの1つが「双方向性の確保」です。講師と参加者、あるいは参加者同士のスムーズなコミュニケーションは、研修内容への理解を助け、参加度を高めます。
ここでは、オンライン研修でぜひ活用したい、Web会議システムの機能をご紹介します。
Web会議システムで講師と参加者をつなぎ、講師から情報提供を行うことができます。適宜参加者からの質問(チャット機能を活用することも可能)を受け付けながら進めることもできます。
また、社内講師による実技研修などは、研修を録画することで、日時を限定せず受講者の都合が良いときに視聴したり、復習に利用したりといったこともできます。
※録画にあたって、講師や参加者の同意が必要な場合もあります。
オンライン研修では、グループに分かれてディスカッションすることは難しいと思われがちですが、Web会議システムによっては講師の設定により、次のような進め方も可能です。
・参加者をグループに分け、グループごとにディスカッションをする。
・グループディスカッション中、講師が各グループをまわりアドバイスする。
・グループディスカッション終了時間に、自動的に参加者全員がつながる。
また、ビデオ機能をONにすることで、表情の変化や参加者のディスカッションへの参画度を見ることも十分にできます。
場所や時間の制約が少なくなるといった、オンラインの特長を生かし、短時間の学習の機会を複数回設けることで、高い学習効果を期待できるプログラム設計が可能です。
たとえば、1週間に、2時間ずつ学習に取り組み、それを3カ月間続ける(継続学習する)ことで、行動変容と成長につなげていくという組み立て方ができます。
学習と学習の合間の期間では、学んだことを職場実践することで、学習と職場実践のPDCAサイクルをまわすことができ、さらなる成長につながります。
・職場を数時間抜けるだけで研修に参加できるため、負担感が少ない
・定期的な学習や振り返りの機会があるため、意識が継続しやすい
・数か月間の研修期間中に職場で実践できるため、学習内容を身に付けやすい
最初は不安を感じていましたが、オンラインでも十分に内容の理解・グループメンバーとの討議ができました。集合で実施するときよりも、オープンにやり取りできた感じがします。学習は集合でしかできないという、思い込みを持ってしまっていたのだと思います。
グループ討議では、思っていたよりも集合研修と近い感覚で話すことができました。リラックスして発言できる面もあり、もしかすると集合研修でのグループ討議よりも活発な話がしやすいかもしれないと感じました。また資料も画面上に共有していただけるので、より見やすい感じがしました。
自宅で受講をしました。移動の時間やコストがかからず、またネットなどで調べた情報をすぐに画面で共有できたり、アイデアが出てきづらくなったときに、自宅にある本を手に取ることでヒントを得られたりしました。
オンライン研修は、一長一短があると感じます。ホワイトボードに書きながら討論する緊張感などは、集合研修の方が感じられるような気もします。オンライン研修の良いところは思っていたよりも対話に近い感覚でできることです。集合研修よりも相手の顔をちゃんと見て話しているかもしれないと感じました。
オンライン研修を実施する上で、講師側、参加者側ともに実施環境を整える必要があります。ここでは、オンライン研修の実施にあたっての必需品をいくつかご紹介します。
オンライン研修への参加に必須です。カメラがついていれば、お互いの表情を見ながら会話やディスカッションを行うことができるので、参加者同士のコミュニケーションが取りやすくなります。
参加者が発言したり、グループディスカッションを実施したりする際には、マイクが必要です。デバイスに内蔵されていない場合には、ヘッドセットやマイク付きイヤホンなどを別途用意します。
外部サイトへアクセスが可能で、かつ通信制限のない環境を確保することを推奨します。オンライン研修ではクラウド上のさまざまなコンテンツを閲覧できる安定した通信環境が必要です。また、参加者と講師がカメラを使用し、音声と映像の両方を使う場合には、特に通信速度の速い回線が必要です。
静かな場所、周りの人の声をマイクが拾わない場所、一人になれる環境を確保することで研修に集中することができます。
基本的には参加者側と同じ準備が必要です。また、それらに加え以下を準備しましょう。
Zoom、Webexの例で見ると、研修を行う“場”であるWeb会議を設定するためのホストアカウントが1つ必要です。無料版のアカウントでは会議の時間や同時参加人数に制限があるため、有料版のアカウントを用意します。
本コラムでは「オンライン研修について知っておきたいこと」を紹介してきました。オンライン研修の最大のメリットは、費用、時間的なコストが抑えられるということです。
また、「いつでも・何度でも利用できる」といったオンラインならでは特長を生かしたプログラム設計を行うことで、研修効果を高めることができます。
BCon®ではこれまで培った経験を基に、初めてのオンライン研修の導入、オンラインでの新入社員研修や管理職研修の実施、そのほか既存研修のオンライン化、オンライン研修に役立つツールの紹介など、お取り組みの内容やフェーズに合わせてサポートが可能です。こちらのフォームからご相談ください。
BConは、株式会社ビジネスコンサルタントの登録商標です
Zoomは、Zoom Video Communications, Inc.の登録商標です
Webex Meetingsは、米国Cisco Systems, Inc.の登録商標です
組織開発や人材開発の最新の情報やソリューションのご案内をお送りしています。
オンライン研修の導入、既存研修の内容に合わせたオンライン化など、お取り組みの内容やフェーズに合わせてサポートいたします。お気軽にご相談ください。
お問い合わせ企業の成長と成功の鍵は、優れた経営戦略にあります。しかし、その戦略を実現するためには、人事戦略との緊密な連携を欠かすことはできません。
経営戦略と連動した人事戦略を策定するためには、自社が置かれている経営環境や社内の状況などを押さえておく必要があります。
本コラムでは、変化が急激な時代において、人事部門が経営層から期待される役割と、経営戦略を達成するために人事戦略を策定するメリットや、押さえておくべきポイントをご紹介します。
ビジネスを取り巻く環境が、これまで以上に急速に、複雑に変化する時代を迎えています。将来を担う「次世代リーダー」(経営幹部候補者)に求められる力も変化しているのではないでしょうか。
これからのリーダーとなる人材が身につけるべき能力として注目しておきたいのが「ラーニングアジリティ」です。激しい変化や経験のない状況に対して、素早く、柔軟に適応し組織を導くリーダーには欠かすことのできない力といえます。
このコラムでは、「ラーニングアジリティ」について解説し、向上するためのポイントをご紹介します。
ビジネスにおけるエンゲージメントとは、従業員と企業の関係性を表す言葉であり、エンゲージメントが高いということは、従業員と企業が結束し互いに高め合える対等な関係、状態のことを指します。
エンゲージメントを高めることは、従業員にとっても企業にとっても双方に大きなメリットがあり、今後永続する企業を目指す上で欠かすことのできない課題となっています。