社員一人ひとりの職位・意欲に応じた能力開発・自己啓発教育 〜『伊藤園大学』による人材育成の実践〜
『伊藤園大学』は、「自己啓発教育の社内大学」として20年以上の歴史を持つ株式会社 伊藤園様の社内教育システムです。ビジネスコンサルタント(BCon®)では、その『伊藤園大学』の一部講座を講師派遣という形でお手伝いしています。今回は職位に限らず多くの社員の方が意欲的に参加されている教育システム、『伊藤園大学』についてお話をうかがいました。
社是“人を創り 会社を興し 社会に尽くす”のもとに
〜100周年を見据えた人材育成・組織変革〜
※本事例は2016年2月の取材に基づき作成しています。事例内容および部門・役職等は取材当時のものを掲載しています。
2016年7月掲載
「当社は創業以来、人を創ることに重きを置いています。社是『人を創り 会社を興し 社会に尽くす』とうたっているように、人材が当社の財産であり、会社が成長するためのキーワードが人を創るということだと考えています」と人材開発の大切さを語られる山本社長。
BCon®とのご縁については「長年階層別研修をお願いしており、17~18年前の新人研修で担当いただいた社員が今40歳前後になって国内外で活躍しています。営業などの『現場力』を強化するために一番重要なのは課長です。課長になる前の心得と、課長が大切にすべきマネジメントのポイントをBCon®さんに教えてもらっています」とお話しくださいます。
「経営の根幹となる人間力は管理職になる際にしっかりと伝えていかないといけません。私たちの世代とゆとり世代では育ってきた環境が異なるため、自分たちの常識で話しても今の若手に伝わりません。そのギャップをしっかり埋めて、当社が大切にする根幹の部分を伝えていくために、BCon®さんに課長研修を依頼しています」と、社是浸透の一翼を担わせていただけている現状をお話しくださいました。
100周年につながる会社を目指されるサンワテクノス様。新入社員には20~30年先に幹部になることを見据えてしっかり育ってほしい。そんな想いを込めて「入社3年ひとり立ち研修制度」を導入し、現在の自社を支えるための重要な人材・管理職への教育を展開しています。
また、組織変革にも積極的に取り組まれ、「100周年を迎える企業を目指し続けたいので、そのためのチャレンジをしていかないと生き残れません。様々な変革を会社が起こしているので、その志に賛同していただける方には一緒に幸せになっていただきたいと思っています」と熱い想いを語られました。
もっと働きやすい職場環境にし、女性活躍の場を広げるために全社挙げての「カイゼン」プロジェクトや「ニューライフ」プロジェクトを展開しています。「今は特別なことですが、これが完全に習慣づいてしまえば、その時には新たにクリエイティブなことがどんどんできるようになっていると思います」と組織風土の定着を見据えています。
※「ニューライフ」プロジェクトの取り組みはこちら
組織開発・人材開発に関する取り組みの指針は、全て社是にもとづいており、一貫性があります。社是に込めた想いを山本社長におうかがいしました。
「『人を創り』とは、仕事を通じて教育をし、人間力の向上をはかることです。会社は働いてお金をもらう場ではなくて、人格を形成する場だという考え方が根本です。お金を稼ぎたいだけならいくらでも仕事はあるでしょうけれど、当社に来ていただいたら人格的にも立派な人間に育ち、人生を全うしていただきたいという想いが根底にあります。
『会社を興し』とは、自分で仕事を創る・起業するつもりで仕事に取り組むという想いを込めています。社外では自分が社長であるという気概で仕事をしろと言われ続けてきました。上司の顔色をうかがったり上司に回答を求めたりしないで、自分が社長ならどうするかを考えること。それが社風であり、これからも大切にしていきたい考え方です。
『社会に尽くす』とは、最終的には”社会貢献につながる”仕事をせよということです。仕事とは単にお金儲けを目指すような作業ではなく、当社の取り扱う商品や提案活動を通して社会貢献をすることです。しかしボランティアではないので、価値の対価として利益を得ていく、結果として次のビジネスにつながるということを経営の根幹としています。」
社員旅行やクリスマス会など、家族的な温かみのある社風のサンワテクノス様。
「創業時代からの『人を創る』という価値観が仕事以外のインフォーマルな側面でも生きていて、それが信頼感につながっているとも思います」と語っていらっしゃいました。
「私たちが目指す人材に対して、いろいろと教えていただけるとありがたいです。また私はプロパーなので、他社の良いところや学ばなければいけないところを、BCon®さんから教えていただけるとありがたいです。
今まさにグループ力を発揮しないと海外含めて勝てない時期に来ています。個人のスキルアップは競争力を高めるけど、部店ごとで競争するのではなく、全社としての総合力で戦っていかなければいけない。全社のレベルを早々に上げるためにどうするかを考えているので、その際にお力をお借りできればと思います。」
全ての施策が社是に忠実であり、“何のために”の意義が明確で一貫性をもっていることに大変感銘を受けました。またその取り組みを進めておられる山本社長の思考・行動の背景に、会社を100周年へ導こうというトップの熱い想いが感じられました。創業以来の家族的な温かみのある社風が、社会関係資本(財務的な資本ではなく、蓄積されていく人間関係の信頼関係資本)を築き上げ、社員への愛情あふれる施策につながっているのだとわかりました。山本社長が描かれている未来像に少しでも早く到達できますよう、今後も貴社の変革推進に貢献してまいります。(編集者)
※山本様の熱い想いに触れられる実際のインタビュー記事はこちら
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