経営戦略を実現するための人事戦略とは
企業の成長と成功の鍵は、優れた経営戦略にあります。しかし、その戦略を実現するためには、人事戦略との緊密な連携を欠かすことはできません。
経営戦略と連動した人事戦略を策定するためには、自社が置かれている経営環境や社内の状況などを押さえておく必要があります。
本コラムでは、変化が急激な時代において、人事部門が経営層から期待される役割と、経営戦略を達成するために人事戦略を策定するメリットや、押さえておくべきポイントをご紹介します。
ビジネスを取り巻く環境が、これまで以上に急速に、複雑に変化する時代を迎えています。将来を担う「次世代リーダー」(経営幹部候補者)に求められる力も変化しているのではないでしょうか。
これからのリーダーとなる人材が身につけるべき能力として注目しておきたいのが「ラーニングアジリティ」です。激しい変化や経験のない状況に対して、素早く、柔軟に適応し組織を導くリーダーには欠かすことのできない力といえます。
このコラムでは、「ラーニングアジリティ」について解説し、向上するためのポイントをご紹介します。
デジタル化の広まりや、持続可能性に配慮した経営への転換などによって、ビジネスの前提が大きく変化しています。さまざまな要因が複雑に絡み合い予測困難な変化がもたらされる時代にあって、過去の成功経験や既存の知識だけに基づいた経営は、事業が進むべき方向を見誤るリスクがあります。
これからの企業経営を担う次世代リーダーには、環境の変化に柔軟に適応し、未知の問題に対しても適切な判断を下す力がこれまで以上に強く求められることになります。
そして次世代リーダーに求められる力が変化しつつある今、従来のリーダーをロールモデルとした育成方法についても見直す時期に来ているといえそうです。
これからのリーダー育成において、注目したい能力の1つが「ラーニングアジリティ(Learning Agility 学習の俊敏性)」です。
ラーニングアジリティとは、新しい環境や経験から素早く学び、変化や未知の問題に際してその知見を応用することができる能力です。過去に経験したことがない状況においても柔軟に解決策を見出すことが求められる、次世代リーダーに必須の能力といえます。
ラーニングアジリティに関する研究者であるコロンビア大学教授、ウォーナー・バーク博士の著書『Learning Agility: The Key to Leader Potential』(David F. Hoff, W. Warner Burke)では、ラーニングアジリティを構成する9つの特性を以下のように定義しています。
リーダー育成には、組織内で行うジョブローテーションやチャレンジングな仕事のアサインといった育成方法があります。しかしラーニングアジリティの向上を効果的に行うためには、いつもの職場を離れてさまざまな業種・業界の⼈々とディスカッションを⾏い、実践的な課題に取り組むような研修、つまり「他流試合」が効果的です。
職場を離れた環境であれば、失敗しても実際の業績に影響を及ぼすリスクがありません。また実際の職場に比べ、研修参加者同士の利害関係はごく小さいため、新しい行動を試すことや他者からのフィードバックを得ることに対して、ポジティブになることができるからです。
他流試合は相互援助型トレーニングの場であり、多様な参加者と協働し実践的な課題に取り組み、試行錯誤と振り返りを繰り返すことで、ラーニングアジリティを高めることができます。
もっとも、他流試合が効果的で質の高い人材育成の場であるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
こうした条件を満たす環境を自社内で整えるのは容易ではありません。他流試合を成立させるためには業種・業界の異なる複数企業にコンタクトし、参加者を集める調整作業が必須です。また参加者の気づきや新しい行動を促し、活発なディスカッションが行われる場をつくるため、講師には高い専門性と多くのノウハウが求められます。
そこで検討したいのが、研修サービスや公開講座の活用です。参加者の調整や会場手配などにかかる負担を抑えつつ、専門講師が関わることで他流試合での経験をより充実したものとし、自社の将来を担う人材のラーニングアジリティ向上を図ることが期待できます。
弊社では、これらの条件を満たした他流試合の機会としてご活用いただける公開講座を、年間を通じて開催しています。
また、公開講座の参加者や、各組織での導入・活用に携わったご担当者へのインタビューも掲載しています。公開講座の一覧や、参加者の学びなどについて詳しく知りたい方は以下よりご覧ください。
このコラムでは、次世代リーダーに求められている能力の1つが、ラーニングアジリティ(新しい環境や経験から素早く学び、変化や未知の問題に際してその知見を応用することができる能力)であること、
そしてラーニングアジリティの向上には、9つの特性を実践的な方法で磨く他流試合が効果的であることをご紹介しました。
次世代リーダーに求められる能力の育成を効率的・効果的に進め、継続的な人材育成施策を展開するため、目的や状況に応じた方法を柔軟に取り入れていきたいところです。
「自社に合った次世代リーダーの育成方法を見つけたい」「他流試合の場に、次期幹部候補を参加させたい」など、次世代リーダー育成に関するご相談や事例の共有をご希望の方は、以下のボタンからお問い合わせください。
ご要望に応じて、リーダー候補の選定や育成制度の構築についてもサポートが可能です。また社内のみで行う次世代リーダー育成の取り組みについても対応いたします。
組織開発や人材開発の最新の情報やソリューションのご案内をお送りしています。
企業の成長と成功の鍵は、優れた経営戦略にあります。しかし、その戦略を実現するためには、人事戦略との緊密な連携を欠かすことはできません。
経営戦略と連動した人事戦略を策定するためには、自社が置かれている経営環境や社内の状況などを押さえておく必要があります。
本コラムでは、変化が急激な時代において、人事部門が経営層から期待される役割と、経営戦略を達成するために人事戦略を策定するメリットや、押さえておくべきポイントをご紹介します。
ビジネスにおけるエンゲージメントとは、従業員と企業の関係性を表す言葉であり、エンゲージメントが高いということは、従業員と企業が結束し互いに高め合える対等な関係、状態のことを指します。
エンゲージメントを高めることは、従業員にとっても企業にとっても双方に大きなメリットがあり、今後永続する企業を目指す上で欠かすことのできない課題となっています。
人材育成における研修の手法が、大きく変化しています。テレワークが普及し、研修もオンラインで実施することが多くなりました。しかし、これまで対面形式で行ってきた研修をオンラインに切り替えることに、不安を感じている組織も多いのではないでしょうか。
ビジネスコンサルタント(BCon®)では、2020・21年度の2年間に、オンラインで12000件以上の研修やコンサルティングを実施してきました。そこで培った知見やノウハウを基に、このコラムではオンライン研修の特長や、集合研修との違い、オンライン研修の効果を高めるポイントについてご紹介します。